実家の親元への遠距離介護。帰省の交通費が月8万円。家計破綻を防ぐために、するべきことは?
離れて暮らす親に介護が必要になると、行ったり来たりの往復の頻度が高まる。
遠距離介護の始まりだ。
「急に具合が悪くなった」「転倒した」など、突発的なことが多く、緊急に帰省を要することもある。
そうなると、交通チケットを割安な早割などではなく、正規料金で購入せざるをえなくなる。
飛行機なら「介護帰省割引(会社によって名称は異なる)」を利用できるケースもあるが、JRには存在しない。
さらに、実家近くの駅までたどりついても、地方ではバスの便数が少なく、タクシー利用になることも多い。
結果、帰省するたび「10万円かかる」という人もいる。
「4~5万円」という人はザラにいる。
4万円でも月に2回往復すると8万円だ。
家計からの負担は厳しいものとなる。
目次 | 老親と別居のケースが増加 | 老親の多くは自宅で最期を迎えたいと考えている | 参考にした資料 |
老親と別居のケースが増加
厚生労働省の調査(*1)によると、日本で65歳以上の者がいる世帯の内、もっとも多い家族構成は「夫婦のみ世帯」。
1998年までは「三世代世帯」がトップだったが、2001年で順位は入れ替わり、その後「夫婦のみ世帯」「単独世帯」がぐんぐん増加。
2021年にはそれらで6割以上となっている。
良し悪しは別として、ひと昔前は、親が老いてきた場合、同居する子が主となって介護を行うことが多かった。
別居の子は「きょうだいが同居しているから、だいじょうぶ」と安堵の表情を浮かべたものだが、いまはそうはいかない。
きょうだいの人数は少なく、ひとりっ子も珍しくない。
親に支援や介護を要するようになると、実家への頻繁な往復が始まることになる。
老親の多くは自宅で最期を迎えたいと考えている
死期が迫っているとわかったときに、人生の最期を迎えたい場所はどこかと尋ねた調査がある(*2)。
67~81歳の回答を見ると、多い順に「自宅」58.8%、次いで「医療施設」33.9%。
その理由は、「自分らしくいられる」「住み慣れているから」などがあげられている。
一方、絶対に避けたい場所は、「子の家」42.1%、「介護施設」34.4%。
「子の家」を避けたい気持ちの背景には「家族の負担になりたくない」という気持ちがあるようだ。
こうした親世代の気持ちを尊重して介護するには、子が実家に通うか、子が地元に戻るUターン介護が選択肢となる。
しかし、冒頭で述べた通り、通いには交通費がかかる。
一方、Uターンをするとなれば、子の生活は一変することになる。
仕事をどうするかなど多くの課題があり簡単には選択できない。
参考にした資料
(*1)国民生活基礎調査(厚生労働省、2021年9月)
(*2)2人生の最期の迎え方に関する全国調査(日本財団、2021年3月)
オピニオン
2023/06/22 16:11 (編集済)
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